電力・ガス業界のケース面接対策【自由化10年・新電力17%・容量市場】
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電力・ガス自由化開始から約10年、2024年12月時点で新電力シェアは約17%に到達[1]し、小売電気事業者の登録数は2025年1月末で747者[1]と拡大しました。一方で2022年以降は事業者の撤退・統合が進む再編局面に入り、2024年10月には2028年度供給力確保のための容量市場第5回メインオークションが実施されています[1]。本記事ではケース面接で電力・ガス・インフラ業界が題材になった際に必要な市場構造・新電力戦略・容量市場・再エネ転換・脱炭素を、最新データと出典付きで体系化しました。
この記事のポイント(TL;DR)
- 新電力シェア:2024年12月時点で約17%(販売電力量ベース)[1]
- 小売電気事業者登録数:2016年4月末291者 → 2025年1月末747者(撤退・統合も進行)[1]
- 容量市場:2024年10月に2028年度向け第5回メインオークション実施[1]
- 必須指標:kWh単価・調達コスト・小売マージン・LCOE・燃料費調整・容量拠出金
- 5大頻出パターン:新電力戦略・容量市場対応・再エネ比率向上・脱炭素ロードマップ・顧客LTV最大化
- 業界特有の論点:地域独占からの自由化・燃料高騰の転嫁制約・容量市場・FIT/FIP制度
電力・ガス業界の市場構造
2016年4月の電力小売全面自由化、2017年4月のガス小売全面自由化を経て、新規参入者と既存大手の競争構造が定着しました。一方、燃料費高騰を背景に2022年以降は事業者の撤退・統合が進み、業界全体が再編局面にあります[1]。
| プレイヤー類型 | 代表企業 | 2025年動向 |
|---|---|---|
| 旧一般電気事業者(大手電力10社) | 東京電力・関西電力・中部電力等 | 電源・送配電・小売の3部門に分離、依然シェア80%超[1] |
| 新電力(PPS) | エネット・ENEOS・Looop・楽天エナジー等 | シェア約17%、747者登録だが再編進行[1] |
| 大手ガス事業者 | 東京ガス・大阪ガス・東邦ガス | 電力とのセット販売・再エネ事業に展開 |
| 送配電事業者 | 大手電力から法的分離した送配電子会社 | 託送料金収益・系統増強投資が課題 |
2022年以降、ロシア・ウクライナ情勢を背景としたLNG・石炭価格高騰で新電力の調達コストが上昇し、低価格戦略の事業者が撤退する事例が続出しました。2024年以降は燃料費調整制度の機能とFIT/FIP制度の進化、容量市場の制度成熟が業界の安定化を支えています[1]。
必須KPI:電力・ガス業界固有の指標
電力・ガス業界のケースでは、kWh単価・需給・燃料調達等の業界固有指標が中心になります。
| 指標 | 説明 |
|---|---|
| kWh単価 | 小売単価・調達単価。家庭用・産業用で大きく異なる |
| LCOE(均等化発電コスト) | 発電設備の生涯コスト÷生涯発電量。電源比較の基準指標 |
| 燃料費調整 | 原油・LNG・石炭価格を毎月単価に反映する制度 |
| 容量拠出金 | 容量市場で小売事業者が負担する電源確保コスト[1] |
| スイッチング率 | 既存供給先から他社への切替比率。新電力のKPI |
| 再エネ比率 | 電源構成のうち再エネ比率。脱炭素戦略の中核指標 |
頻出する5大ケースパターン
パターン① 新電力の生き残り戦略
「燃料高騰下で新電力はどう生き残るか?」
解法軸:①電源調達の多様化(自社電源・相対契約・市場調達のバランス)×②ターゲット顧客の絞り込み(高単価セグメント特化)×③再エネメニューの差別化×④電気+ガス+通信のセット販売×⑤撤退判断。2022年以降の燃料高騰で撤退・統合が相次いだ業界[1]の生存戦略がテーマ。
パターン② 容量市場対応戦略
「容量拠出金をどう吸収・転嫁するか?」
解法軸:①容量市場の役割理解×②供給力の自社確保 vs 市場調達×③小売顧客への料金転嫁×④需要応答(DR)活用×⑤再エネ+蓄電池構成。2024年10月の第5回メインオークション[1]を踏まえた最新の議論が必要。
パターン③ 再エネ比率向上・FIT/FIP対応
「再エネ電源をどう拡大・収益化するか?」
解法軸:①太陽光・風力・地熱・水力の選定×②FIT(固定価格買取)→FIP(プレミアム)移行×③PPA契約活用×④蓄電池併設×⑤系統接続の制約対応。法人需要家からの「再エネ100%」要請が新電力の収益機会に。
パターン④ 脱炭素ロードマップ設計
「電力会社の2050年カーボンニュートラル達成戦略は?」
解法軸:①石炭火力のフェードアウト×②水素・アンモニア混焼×③再エネ比率向上×④原子力再稼働・新設×⑤CCUS(CO2回収)×⑥送配電網増強。2030年・2040年・2050年の中間目標と整合した投資計画が論点。
パターン⑤ 顧客LTV最大化・サービス拡張
「電力・ガス会社が顧客LTVをどう高めるか?」
解法軸:①電気+ガス+通信のセット販売×②EV充電・V2H(Vehicle to Home)連携×③スマートホーム・IoTサービス×④省エネアドバイザリー×⑤ファイナンス(電気代カード払いポイント)。「電気の販売」から「エネルギー総合サービス」への業態変化。
業界特有の概念:差別化につながる論点
① 容量市場の仕組み
4年先の必要供給力をオークションで確保する制度で、2020年から運用開始。小売事業者が容量拠出金を負担し、電源事業者が落札時に収益を得る構造です。2024年10月に第5回メインオークション(2028年度向け)が実施[1]。再エネ拡大と老朽火力の退役を背景に、安定供給力確保の中核制度になりました。
② FIT/FIPの違いと事業性
FIT(固定価格買取)は再エネ電気を国が決めた価格で買取る制度、FIP(フィードインプレミアム)は市場価格に補助金を上乗せする新制度。FIPでは事業者の収益が市場価格変動に晒されるため、PPA契約や需要応答との組み合わせが事業性の鍵になります。
③ 法的分離と発送電分離
大手電力10社は2020年4月の発送電分離で送配電部門が法的分離されました。送配電子会社は中立的に他事業者の電気も送電する義務があり、新電力にとっては公平な市場アクセスが確保される一方、託送料金(送配電料金)が小売価格の3割程度を占める構造です。
④ 燃料費調整制度の機能と限界
原油・LNG・石炭価格を毎月の電気料金単価に反映する制度。家庭用は上限が設定されており、燃料高騰時に小売事業者が逆ザヤを被るリスクがあります。2022〜2023年の高騰局面では、上限なしの法人向けは転嫁できた一方、家庭用中心の新電力は逆ザヤで撤退する事例が続出しました。
Key Takeaways
- 新電力シェア2024年12月時点で約17%、小売電気事業者登録は2025年1月末で747者[1]
- 2022年以降は燃料高騰で再編局面、撤退・統合が進行[1]
- 容量市場は2024年10月に第5回メインオークション(2028年度向け)実施[1]
- 必須KPIはkWh単価・LCOE・燃料費調整・容量拠出金・再エネ比率
- 5大頻出パターン:新電力戦略・容量市場対応・再エネ比率向上・脱炭素ロードマップ・顧客LTV最大化
- 2050年カーボンニュートラルに向けた水素・アンモニア・蓄電池・原子力・CCUSの組み合わせ戦略が長期論点
よくある質問
新電力のシェアが頭打ちなのはなぜですか?
①2022年以降の燃料費高騰で価格優位が消失、②容量拠出金負担で小売マージンが圧迫、③家庭用は燃料費調整上限で逆ザヤリスク、④大手電力の対抗的低価格メニュー、⑤撤退・統合の進行、の5要因です。シェア17%<sup>[1]</sup>からの拡大は、再エネメニュー差別化・法人特化・セット販売など付加価値戦略が鍵です。
容量市場とは何ですか?
4年先の供給力をオークションで確保する制度です。再エネ拡大と老朽火力の退役で「将来の電源不足」が懸念される中、必要な供給力を市場メカニズムで事前確保する仕組みです。小売事業者が容量拠出金を負担し、電源事業者が落札収益を得ます。2024年10月に2028年度向け第5回メインオークションが実施されました。
FITとFIPの違いを教えてください。
FIT(Feed-in Tariff・固定価格買取)は再エネ電気を国が決めた固定価格で20年間買取る制度。FIP(Feed-in Premium)は卸電力市場価格に補助金(プレミアム)を上乗せする新制度です。FITは事業者の収益が安定する一方、市場メカニズムが働きにくい。FIPは市場連動性が高まる代わりに、事業者は価格変動リスクを負います。新規事業はFIPが中心になりつつあります。
脱炭素電源として何が現実的ですか?
①再エネ拡大(太陽光・洋上風力)、②原子力再稼働・新設、③水素・アンモニア混焼火力、④CCUS(CO2回収貯留)、⑤蓄電池・揚水発電による調整力確保、の5つの組み合わせが現実的です。再エネ単独では出力変動に対応できないため、蓄電池・水素・原子力・CCUSなど複数手段の組み合わせが議論の中心です。
電力・ガス業界のDX論点は?
①スマートメーターによる需要データ活用、②AIによる需給予測・最適化、③VPP(仮想発電所)・DR(需要応答)の運用、④EV充電制御・V2H、⑤顧客向けエネルギー管理アプリ、の5領域が主要DX論点です。電力データは「家庭の活動パターン」を反映する貴重なデータ資産で、活用ビジネスの拡大余地があります。
学んだら、次は練習です
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