【フェルミ推定】日本の学習塾の数を推定する【解法プロセス全公開】
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「日本の学習塾は何軒あるか」は、フェルミ推定の定番問題のひとつです。需要側(小中高生の受講人口)と供給側(1塾あたり定員)の両面から積み上げ、クロスチェックする手順を身につけることで、他の教育系問題にも応用できます。本記事では解法プロセスをステップごとに解説します。
アプローチ選択:なぜ需要型から入るのか
学習塾の数を推計するには、大きく2つのアプローチがあります。
- 需要型:受講している生徒数 ÷ 1塾の平均生徒数
- 商圏型:人口 ÷ 1商圏あたりの塾数
今回は需要型を主軸にします。理由は「誰が利用しているか」という年齢別利用率のデータを分解しやすく、面接で仮定を説明しやすいためです。最後に商圏型でクロスチェックを行います。
Step1:受講人口の推計(小中高別)
小学生・中学生・高校生の在籍数と学習塾利用率から受講者数を推計します。
⚠️ 教育目的の推計例です。実際の数値とは異なります。
| 学校種 | 在籍数 | 利用率の仮定 | 受講者数 |
|---|---|---|---|
| 小学生 | 約600万人 | 40% | 240万人 |
| 中学生 | 約300万人 | 65% | 195万人 |
| 高校生 | 約280万人 | 35% | 98万人 |
| 合計 | — | — | 約533万人 |
利用率の根拠:中学生は受験意識が高まり最も高い水準。小学生は低学年と高学年で差があり平均40%。高校生は部活・バイトとの兼ね合いで低めの35%と仮定します。
Step2:1塾あたり平均生徒数の推計
塾の形態は大きく「個別指導型」と「集団授業型」に分かれます。それぞれの定員と比率を仮定します。
| 形態 | 1塾の平均生徒数 | 比率(件数ベース) | 加重寄与 |
|---|---|---|---|
| 個別指導型 | 30人 | 60% | 18人 |
| 集団授業型 | 100人 | 40% | 40人 |
| 加重平均 | — | — | 58人 |
近年は「個別・少人数型」が増加傾向にある一方で、大手チェーンによる集団授業型も一定数残っています。件数ベースでは小規模の個別指導型が多いと判断し、60:40と仮定します。
Step3:積み上げ計算と推計レンジ
受講者数を1塾平均生徒数で割り、塾の数を算出します。
推計値:533万人 ÷ 58人 ≒ 約9.2万塾
ただし、この計算は全ての塾が定員をほぼ満たしている仮定です。稼働率を70〜80%と見ると:
- 稼働率70%の場合:533万 ÷ (58人 × 0.7) ≒ 13万塾
- 稼働率80%の場合:533万 ÷ (58人 × 0.8) ≒ 11.5万塾
推計レンジ:9〜13万塾(中央値約11万塾)
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感度分析:利用率と稼働率の組み合わせ
最も影響が大きい「中学生の利用率」と「1塾の稼働率」を変えて感度を確認します。
⚠️ 教育目的の推計例です。実際の数値とは異なります。
| 中学生利用率 | 稼働率60% | 稼働率75% | 稼働率90% |
|---|---|---|---|
| 55% | 約14万塾 | 約11万塾 | 約9万塾 |
| 65%(基準) | 約16万塾 | 約13万塾 | 約11万塾 |
| 75% | 約17万塾 | 約14万塾 | 約12万塾 |
感度分析から、稼働率の仮定が推計に大きく影響することがわかります。面接では「稼働率の前提を80%と置いた」と明示するとよいでしょう。
参考値との比較と考察
総務省「経済センサス」や経済産業省「サービス産業動向調査」などによると、学習塾・予備校の施設数はおよそ4〜5万施設(統計ベース)前後とされています。本推計の9〜13万という数値は2倍程度大きくなっています。
乖離の主な理由として考えられるのは:
- 複数の塾を掛け持ちする生徒が一定数いる(利用率が実人数ベースではなく延べベースになっている)
- 1塾あたり平均生徒数を過小に見積もった可能性
- 統計の捕捉範囲(個人経営の小規模塾が漏れている場合も)
面接では「参考値と比べて高めに出ている。掛け持ち受講や稼働率の前提を見直すと5〜8万塾の範囲になる」と修正できることを示すと評価が上がります。
面接での答え方のポイント
- 利用率の説明を簡潔に:「中学生は受験を意識して最も高い」「小学生は低学年との差を考慮して平均40%」など、1文で根拠を添える
- 形態の分類を先に宣言:「個別指導型と集団授業型に分けて考えます」と構造を示してから計算に入る
- レンジで答える:「約10万塾、レンジは8〜12万」のように幅を持たせることで、仮定の不確実性を正直に示せる
- 参考値への言及:「経済センサス等では4〜5万程度とも言われています。私の推計がやや高めに出た理由は…」と自己評価できると差が付く
よくある質問
学習塾の利用率はどう設定すればよいですか?
学校種別で分けるのが基本です。受験意識が高まる中学生が最も高く55〜65%程度、小学生は35〜45%、高校生は部活・大学受験の形態変化を考慮して30〜40%と仮定するのが一般的な整理方法です。なお本記事では「参考値(4〜5万施設)と比較して推計が高めになる場合は掛け持ちや稼働率の前提を見直す」という修正プロセスを示しています。
個別指導と集団授業の比率はどう決めますか?
件数ベースでは小規模の個別指導型が多いため60〜70%、売上や生徒数ベースでは大手集団型の比率が上がります。何を分母にするかで変わるため、面接では「件数ベースで個別指導が多い」と明示することが重要です。
稼働率はどう設定しますか?
一般的なサービス業では70〜85%程度が現実的な稼働水準です。学習塾は季節変動(夏期講習・受験前の繁忙期)があるため、年間平均では75〜80%と仮定するのが妥当でしょう。
複数の塾を掛け持ちする生徒はどう扱いますか?
掛け持ちを考慮しない場合、利用率は「実人数ベース」の数値になります。掛け持ちが多い場合は延べ受講数が増えるため、実際の塾数よりも多く出る可能性があります。推計後に「掛け持ちを調整すると○割程度の下方修正が必要」と言及すると完成度が上がります。
フェルミ推定で教育系の問題が出たとき、どこを重点的に押さえるべきですか?
年齢(学年)別の利用率の分解が最重要です。教育は年齢・ライフステージと需要が強く連動するため、人口ピラミッドを意識しながら対象者を絞り込む手順を丁寧に踏むことが高評価につながります。
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