日本の物流倉庫は何棟?フェルミ推定【約1万〜1.2万棟規模】
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「日本に物流倉庫はいくつあるか」というフェルミ推定は、EC拡大で存在感を増す物流不動産の規模を考える良問だ。倉庫業法に基づく営業倉庫の登録事業者数を起点に、1事業者あたりの拠点数から棟数を積み上げる視点が問われる。本記事では登録事業者数からの積み上げと延床面積からの逆算の2アプローチで推計し、国土交通省・業界団体の実績値と照合する。
問題の定義:「物流倉庫」の範囲
- 対象:他社の物品を預かり保管する「営業倉庫」(倉庫業法の登録対象)
- 含む:普通倉庫(一般保管)・冷蔵倉庫・水面倉庫等
- 除外:自社製品のみを置く自家用倉庫、個人のトランクルーム
倉庫業法では、運送の延長で他社品を預かる「営業倉庫」は国交大臣への登録が必要だ。本記事はこの登録対象の営業倉庫を対象とする。
アプローチ①:登録事業者数から棟数を積み上げる
営業倉庫の登録事業者数を起点に、1事業者あたりの倉庫棟数を掛けて積み上げる。
営業倉庫の登録事業者: 約3,500社(うち日本倉庫協会会員 約990社)
98%が中小事業者で、1社あたり倉庫棟数は少数
中小は1〜3棟、大手は数十棟保有 → 1社平均 約3〜4棟と仮定
推定棟数: 約3,500社 × 約3.5棟 ≒ 約1.2万棟規模
1社あたり棟数の置き方がKey Assumptionになる。中小が98%を占めるため平均棟数は小さく、大手が棟数を押し上げる構造だ。
アプローチ②:延床面積から逆算する
営業倉庫の総保管面積を、1棟あたりの平均面積で割って棟数を導く。
| 区分 | 想定 | 棟数 |
|---|---|---|
| 大型物流施設(1万㎡超) | 大手・物流REIT中心 | 約1,500棟 |
| 中規模(2,000〜1万㎡) | 地域物流の中核 | 約4,000棟 |
| 小規模(2,000㎡未満) | 中小・地場 | 約6,500棟 |
| 合計(推計) | 約1.2万棟 | |
営業普通倉庫の所管面積は、主要21社だけでも約929万㎡(2023年度)に上る。大型化が進む一方、棟数では小規模倉庫が大多数を占める。
実績値との照合
2つの推計を国交省・業界団体の一次データと照合する。なお営業倉庫の「棟数」を網羅した公式統計は乏しく、棟数は推計値である。
| 指標 | 実績値 | 出典 |
|---|---|---|
| 営業倉庫の登録事業者数 | 約3,484社 | 日本倉庫協会/国交省資料 |
| うち日本倉庫協会 会員数 | 約988社 | 日本倉庫協会 |
| 中小事業者の割合 | 約98% | 日本倉庫協会/国交省資料 |
| 営業普通倉庫 所管面積(主要21社・2023年度) | 約929万㎡ | 国土交通省 |
| 営業倉庫 棟数(推計) | 約1万〜1.2万棟規模 | 事業者数・面積からの推計 |
推計精度の評価
- 事業者数(約3,484社)は公式に近い確度の高い値
- 登録事業者からの積み上げ(約1.2万棟)と面積からの逆算(約1.2万棟)が同水準に収束
- 営業倉庫の「棟数」を網羅した公式統計は乏しく、棟数は推計値である点に注意
- 1社あたり棟数・1棟あたり面積の置き方が結果を左右する
業界構造の洞察:EC拡大と大型物流施設
- 中小が大多数:登録事業者の約98%が中小で、棟数では小規模倉庫が大半を占める
- EC拡大で大型化:ネット通販の伸びを背景に、マルチテナント型の大型物流施設が都市近郊に増加
- 物流REIT・不動産化:倉庫は「物流不動産」として投資対象となり、大型施設に資本が集中
- 2024年問題と省人化:ドライバー不足を背景に、自動倉庫・庫内ロボットによる省人化投資が進む
よくある質問
日本に物流倉庫はいくつありますか?
営業倉庫の「棟数」を網羅した公式統計は乏しいため推計になりますが、登録事業者数(約3,484社)と1社あたり棟数、総保管面積から逆算すると、おおむね1万〜1.2万棟規模と考えられます。登録事業者の約98%は中小で、棟数では小規模倉庫が大多数を占めます(日本倉庫協会・国交省資料)。
物流倉庫の数を推定するコツは何ですか?
倉庫業法の登録事業者数(約3,484社)を起点に、1社あたりの倉庫棟数を掛けて積み上げます。中小が98%なので平均棟数は小さく置きます。別解として、総保管面積を1棟あたり平均面積で割る方法もあります。営業普通倉庫は主要21社だけで所管面積約929万㎡に上り、大型化が進んでいます。棟数は公式統計が乏しく推計値である点を明示するのが誠実です。
面接で『物流倉庫業界の展望』を問われたら?
EC拡大と省人化が論点です。ネット通販の伸びで大型物流施設の需要が高まり、倉庫は物流不動産として投資対象になっています。打ち手としては、都市近郊のマルチテナント型施設の開発、自動倉庫・庫内ロボットによる省人化、2024年問題に対応した配送拠点の最適配置が挙げられます。中小と大手の役割分担をどう描くかも論点です。
学んだら、次は練習です
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