フェルミ推定焼肉外食市場

焼肉店市場をフェルミ推定で算出【1兆2,000億円・2万店の構造】

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「日本の焼肉店市場を推定してください」はケース面接のフェルミ推定で定番の問題だ。焼肉は「個人・法人の外食需要を両方吸収する業態」であり、消費者数×利用頻度×客単価の需要側と、店舗数×1店舗売上の供給側の2アプローチで精度よく推定できる。実績値は約1兆2,000億円(NIKKEI COMPASS)[1]

この記事のポイント(TL;DR)

  • 焼肉店市場:推定値 約1.0〜1.2兆円 / 実績値 約1兆2,000億円[1]
  • 総店舗数:推定約2万店(経済センサス2016年で15,023店[2]
  • 1店舗月売上:約400〜500万円(客単価4,000円・席数40席・稼働率50%)
  • チェーン占有:主要チェーン計2,865店(2024年7月・帝国データバンク[2]
  • 推定精度:需要側・供給側ともに実績値との誤差10〜20%以内

推定アプローチ:2軸の分解方針

「市場規模=消費者数×利用頻度×1回支出」の需要側アプローチと「店舗数×1店舗売上」の供給側アプローチを使い、相互検証することで推定の信頼性を高める。

アプローチ 計算式 推定結果
需要側人口×利用人口率×年間利用回数×1回支出約1.1兆円
供給側総店舗数×1店舗年間売上約1.0兆円
実績値NIKKEI COMPASS[1]約1兆2,000億円

需要側アプローチ:消費者行動から積み上げる

推定ステップ

変数 推定値 根拠
総人口1.25億人日本の総人口(概数)
焼肉外食人口の割合55%成人(15歳以上)かつ外食可能な年齢層。高齢者・幼児を除外
焼肉外食人口約6,900万人1.25億 × 55%
年間利用回数3回/年誕生日・歓送迎会・家族外食などで年3〜4回が標準的
1回当たり支出3,500円/人食べ放題3,000円・アラカルト4,500円の中間値

需要側推定結果: 6,900万人 × 3回 × 3,500円 = 約7,245億円

+ 法人需要(接待・社内宴会)の追加:個人の30%≈約2,000億円

需要側合計:約9,000〜1兆1,000億円

供給側アプローチ:店舗数から逆算する

Step 1:総店舗数の推定

飲食店全体(約50万店)から焼肉業態の比率で推定する。

  • 飲食店全体:約50万店(厚生労働省推計)
  • 焼肉専門店の比率:約4%(焼肉はラーメン・寿司・定食等と比較してやや少ない)
  • 推定:50万 × 4% = 約2万店

参照値:経済センサス2016年で焼肉店15,023店[2]、そのうち主要チェーン50社で2,865店(2024年7月・帝国データバンク[2])。2016年以降の増加を考慮すると現在は1.7〜2万店程度とみられる。

Step 2:1店舗当たり月売上の推定

変数 推定値 根拠
席数40席テーブル8卓×5席(個室含む中規模店)
回転数2回/日昼1回+夜1回(焼肉は滞在時間2時間が標準)
客単価4,000円食べ放題3,000円〜アラカルト5,000円の中間
稼働率50%平日昼は空席多く、週末夜は満席。全体平均50%
月営業日数25日週休1日程度

1店舗月売上: 40席 × 2回 × 4,000円 × 0.5 × 25日 = 400万円/月

供給側推定結果: 2万店 × 400万円 × 12ヶ月 = 約9,600億円

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需要側・供給側の交差検証と実績比較

アプローチ 推定値 実績値との誤差
需要側(個人+法人)約1.1兆円+8.3%
供給側(店舗数×売上)約9,600億円-20%
実績値[1]約1兆2,000億円

供給側が実績より低い理由:①高単価の高級焼肉店(1人1万円超)を平均客単価に含めていない、②テイクアウト・デリバリー需要を除外している。この2点を補正すれば実績値に近づく。需要側との平均を取ると約1兆350億円で誤差は約14%。

💡 面接でのコツ:2アプローチの平均が実績値の±20%以内なら「十分な精度」とみなされる。差異が出た場合は「なぜ誤差が生じたか」の仮説を1文で添えると評価が上がる。

焼肉店業態の構造:チェーン vs 個人店

業態 特徴 推定シェア
主要チェーン(2,865店)食べ放題が主流。回転率重視・低客単価・高稼働約15%(店舗数)
中〜高価格帯の個人店アラカルト中心・地域密着・客単価5,000〜8,000円約60%(店舗数)
高級焼肉(1万円超)コース料理・個室・接待需要。少数精鋭で高売上約5%(店舗数・売上は15%超)
テイクアウト特化型コロナ禍以降に拡大。家庭用焼肉需要を取り込む約5%(増加傾向)

推定上の重要ポイント:高級焼肉は店舗数5%でも売上は15%超を占める。客単価の平均を4,000円と設定すると高級帯を過小評価しやすい。面接では「客単価帯別に加重平均する」と補足できると望ましい。

「法人需要はどう組み込む?」という面接官の問い

焼肉のフェルミ推定で多い追加質問が「接待・社内宴会などの法人需要はどう扱うか」だ。

対応方法:個人需要×30%を法人需要として加算する。

  • 法人の宴会は1回の人数が多い(10〜20人)ため、店舗の稼働率を押し上げる
  • 週平均2〜3回の法人宴会利用がある店舗では月売上が20〜30%高くなる
  • 法人需要が集中する平日夜の稼働率を55→65%に引き上げると、月売上は440万円前後に上昇
  • 法人需要の比率を全体の20〜30%とすると、市場規模は9,600億円 × 1.25 ≈ 1.2兆円となり実績値に合致する

💡 法人需要を追加変数として持ち出すことで「外食市場の需要構造を理解している」という評価を得やすい。B2B(接待)×B2C(家族外食)の2軸で説明するのが効果的。

Key Takeaways

  • 焼肉市場は約1兆2,000億円(NIKKEI COMPASS)[1]。推定値は需要側9,000〜1.1兆円・供給側9,600億円で収束する
  • 総店舗数は約1.7〜2万店。主要チェーン2,865店は全体の15%程度にとどまる[2]
  • 1店舗月売上は客単価4,000円・席数40席・稼働率50%・月25日で約400万円が基準値
  • 法人需要(接待・宴会)は個人需要の20〜30%。追加変数として組み込むと推定精度が上がる
  • 高級焼肉(1万円超)は店舗数5%でも売上は15%超を担う。客単価の平均に要注意
  • 2アプローチの推定値の差は「誤差の原因仮説」とセットで提示すると面接評価が上がる

よくある質問

Q

焼肉市場のフェルミ推定で最も間違えやすいポイントは何ですか?

A

最も多いミスは「客単価の設定」です。食べ放題3,000円を基準にすると、高価格帯の個人店や接待利用の高級焼肉を過小評価します。業態別(チェーン食べ放題・中価格帯・高級店)に客単価を分けて加重平均するか、法人需要を別途加算する工夫が推定精度を上げるコツです。

Q

総店舗数の推定で参照できる公的データはありますか?

A

経済センサス-活動調査(総務省・経産省)が焼肉専門店を含む飲食店の業態別店舗数を公表しています。2016年調査では焼肉・ホルモン料理店合計で15,023店でした。帝国データバンクは主要チェーンに限定した最新データを提供しており、2024年7月時点で主要チェーン計2,865店と発表しています。

Q

焼肉市場は今後どう変化しますか?

A

需要面では訪日外国人のインバウンド需要(特にアジア圏での焼肉人気)による拡大が期待されています。供給面では食べ放題チェーンの再編・高級化と、テイクアウト・EC需要の取り込みが進んでいます。牛肉価格の高止まりが収益構造を圧迫しており、価格転嫁(メニュー単価引き上げ)が業界全体の課題です。

Q

稼働率50%はどうやって導きますか?

A

稼働率は「平日昼・平日夜・週末昼・週末夜」の4時間帯に分けて推定すると精度が上がります。平日昼20%・平日夜50%・週末昼40%・週末夜80%の平均が約48%で、50%は妥当な仮定です。焼肉は滞在時間が長く(2時間)回転が遅いため、ラーメン(45分・回転4回)に比べて1日当たりの収容効率が低い点も考慮します。

学んだら、次は練習です

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