KPI/KGI設定 演習問題【ECサイト売上改善・HR定着率改善の2ケース完全解説】
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KPI/KGIフレームワーク復習
演習に入る前に、KGI・KPI・KPIツリーの関係を整理します。
例:年間売上30億円、会員数100万人、NPS +15pt
KPI(Key Performance Indicator):KGI達成への過程を測る先行指標。「どう進んでいるか」
例:月次新規獲得数、チャーン率、コンバージョン率
KPIツリー:KGI→中間KPI→アクション指標の階層構造。因果関係を可視化する
良いKPIの条件(SMART基準):
- Specific:具体的な定義がある(「顧客満足度」ではなく「NPS」)
- Measurable:計測可能(データ取得方法が明確)
- Achievable:達成可能な水準
- Relevant:KGIとの因果関係が明確
- Time-bound:計測期間が設定されている
演習1:ECサイトの売上改善KPIツリー
中規模ECサイト(アパレル専門・年商20億円)が「3年後に年商50億円」を目指している。 売上改善のKGIとKPIツリーを設計し、優先モニタリング指標を3つ選んで理由を述べよ。
解答例:KPIツリー構造
KGI:年商50億円(現在比+150%・3年後)
| レイヤー | 指標 | KGIへの連動ロジック |
|---|---|---|
| 中間KPI(売上因数分解) | 月間訪問者数 × CVR × 平均購買単価 × 購買頻度 | 売上 = 流量×転換率×単価×リピート率の積 |
| 獲得KPI | 新規訪問者数・広告ROAS・SEO流入数 | 訪問者を増やす流入源の管理 |
| 転換KPI | 購買CVR・カート離脱率・LPページ滞在時間 | 訪問者を顧客に変える転換効率 |
| 維持KPI | LTV・リピート率・メール開封率・解約率 | 既存顧客の継続購買とアップセル |
優先モニタリング指標(Top3)とその理由
- 購買CVR:訪問者の何%が購買に至るかは全売上に乗算効果があるため、1%改善で年間5,000万円以上のインパクトになりうる
- LTV(顧客生涯価値):アパレルECのリピート率向上は単価より大きい売上貢献要因。3年スパンではLTV最大化が鍵
- ROAS(広告費用対効果):50億円に向けて広告投資を拡大する局面では、投資効率管理なしにスケールすると利益率が毀損する
問題:① 計測方法が不明 ② KGIとの因果関係が薄い ③ 優先順位の根拠なし
改善:計測方法(何で・いつ測るか)とKGIへの因果ロジックをセットで述べる
演習2:HR施策のKGI/KPI設定
従業員数1,000人の製造業A社が「人材定着率の改善」を経営課題として掲げている。
現状:年間離職率18%(業界平均12%)、採用コスト1人当たり100万円。
「3年後に離職率を10%以下にする」ためのKGI・KPIを設計せよ。
解答例
KGI:年間離職率10%以下(3年後)
| KPIカテゴリ | KPI指標 | 目標値(3年後) |
|---|---|---|
| エンゲージメント | eNPS(従業員ネット・プロモーター・スコア) | +10→+30 |
| 採用・配置 | 入社3年以内定着率 | 72%→85% |
| 育成 | 社内異動・キャリア希望達成率 | 30%→60% |
| 管理職 | 1on1実施率(月1回以上) | 40%→85% |
| 先行指標 | 退職予兆スコア(サーベイ) | 高リスク者の90日前特定率 70%以上 |
KPIの「なぜこれか」の説明
- eNPS:離職意向の先行指標として研究上の相関が高い。四半期ごとの全社サーベイで追跡可能
- 入社3年以内定着率:製造業の離職は入社3年以内に集中する傾向があるため、ここを改善することが全体離職率に直結
- 退職予兆スコア:早期に対応できれば防止率が高い。先行指標として最優先でモニタリングすべき
KPI設計でよくある5つのミス
ケース面接でKPI設定の回答が弱くなりやすいパターンを整理します。
| ミス | NG例 | 改善後 |
|---|---|---|
| ①計測方法が不明 | 「顧客満足度を上げる」 | 「NPS(5点満点の推薦スコア)を四半期調査で計測」 |
| ②KGIとの連動なし | 「SNSフォロワーを増やす」 | 「SNSフォロワー増→EC流入増→購買CVR向上→売上+X億円」と因果を示す |
| ③目標値なし | 「離職率を下げる」 | 「現在18%→3年後10%以下」と期限と数値を明示 |
| ④先行指標なし | KGIのみ設定(結果指標のみ) | 「退職予兆スコア」のような先行指標(Leading Indicator)も設定 |
| ⑤KPIの数が多すぎ | 10個以上のKPIを列挙 | 優先3〜5個に絞り「なぜこれを優先するか」の理由を述べる |
Key Takeaways
- KGI(最終目標)とKPI(先行指標)を階層構造で設計し、KGIへの因果ロジックを常に説明できること
- 良いKPIはSMART基準を満たし、計測方法・目標値・期限が明確
- EC売上改善の優先KPIは「購買CVR・LTV・ROAS」の3点セット
- HR施策のKPIはeNPS・入社3年以内定着率・退職予兆スコアが先行指標として有効
- 面接では「KPI3〜5個+優先順位の根拠」をセットで伝えることで実務経験者レベルの回答になる
よくある質問
KGIとKPIの違いを一言で説明するには?
KGIは「ゴールに着いたかどうか」を測る指標、KPIは「ゴールに向かっているかどうか」を測る指標です。KGIは結果(Lagging Indicator)、KPIはプロセス(Leading Indicator)という区分で説明すると明快です。
ケース面接でKPIを問われたらどう答えますか?
「まず施策の目的(KGI)を確認し、その達成を測るプロセス指標を3〜5個挙げ、優先度の高い指標の理由を述べる」という流れが有効です。「KPIはAとBとCです。特にAを優先するのは、この施策のボトルネックが○○だからです」と根拠を添えましょう。
KPIツリーはケース面接でどのように使いますか?
問題を「KGI = 変数A × 変数B × 変数C」と因数分解し、各変数に対応するKPIを設定することで、網羅的かつ因果関係のある指標体系が作れます。売上であれば「訪問者数×CVR×単価×購買頻度」、離職率であれば「エンゲージメント×採用ミスマッチ率×キャリア充足度」のように分解します。
OKRとKPI/KGIはどう違いますか?
OKRはObjective(定性的な目標)+Key Results(達成を測る定量指標)の組み合わせで、意欲的な目標設定と進捗管理を組み合わせたフレームワークです。KPI/KGIは「目標達成の測定ツール」であるのに対して、OKRは「目標設定と優先順位付けのシステム」です。どちらも補完的に使えます。
KPIを設定しすぎると何が問題ですか?
KPIが多すぎると優先順位が不明確になり、組織の注意が分散します。「KPIのKPI」を追うことで本来のKGI達成がおろそかになる逆効果も生じます。実務では「最重要KPI(North Star Metric)を1つ決めてチーム全員が共有する」アプローチが有効で、面接でもKPI3〜5個に絞る選択眼が評価されます。
学んだら、次は練習です
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