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【フェルミ推定】日本の病院・クリニックは何施設か?【年間受診回数から逆算する全プロセス】

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⚠️ 本記事の推計は教育目的の参考推計です。実際の病院・クリニック数とは異なります。思考プロセスの学習を目的としています。

「日本の病院・クリニックは何施設あるか?」は、医療需要を人口の年齢構成と受診頻度から推計するフェルミ問題です。本記事では需要側(年間総受診回数)から逆算するフロー型と、人口÷担当人口で積み上げるストック型の2アプローチで全プロセスを解説します。推計後は感度分析でレンジを示し、推計値と参考統計値の差異の意味まで掘り下げます。

分解方針:「一般診療所(クリニック)」に絞り2アプローチで推計

「病院・クリニック」と一括推計するのではなく、今回は一般診療所(クリニック)を主推計対象とします。病院(20床以上の入院機能)は規模・運営形態が大きく異なるため、別途補完として扱います。

推計アプローチは2つ用意します。面接では1つを主軸にし、もう1つでクロスチェックする構成が高評価につながりやすいとされています。分解パターン一覧も合わせて参照してください。

アプローチA:フロー型(需要から逆算)

クリニック数 ≒ 年間総外来受診回数 ÷ 1クリニックの年間診察件数

受診頻度×人口から需要を積み上げ、処理能力で割る方法

アプローチB:ストック型(人口÷担当人口)

クリニック数 ≒ 総人口 ÷ 1クリニックあたりの担当人口

「クリニックは徒歩・自転車圏内の住民を担う」という地域密着モデルから積み上げる方法

Step 1(フロー型):年間総外来受診回数の推計

人口を3つの年齢層に分け、それぞれの外来受診頻度を仮定します。受診頻度は年齢が上がるほど高まる傾向があり、65歳以上は慢性疾患の定期通院が主体となります。

年齢層 人口(万人) 受診頻度(回/年) 主な受診理由 小計(億回)
0〜14歳 1,400 8回と仮定 小児科・発熱・感染症 1.12
15〜64歳 7,400 4回と仮定 風邪・生活習慣病初期・けが 2.96
65歳以上 3,600 15回と仮定 高血圧・糖尿病等の定期通院 5.40
合計 約9.5億回

※ 人口合計1.24億人を3層に分割。受診頻度はいずれも推定値。65歳以上の月1〜1.5回通院(年12〜18回)のうち概ね15回程度と仮定。

Step 1(フロー型つづき):1クリニックの年間診察件数の推計

1クリニックの処理能力(供給側)

1人あたり診察時間 5〜10分程度と仮定 → 1時間に6〜10名、平均8名と推定
1日の診察時間 午前4時間+午後4時間=8時間(昼休み除く)と仮定
年間稼働日数 週5日×52週=約250日(定休・祝日を考慮)と仮定

年間診察件数の計算

8名/時 × 8時間/日 = 64件/日 ≒ 約60件/日
60件 × 250日 = 約15,000件/年

フロー型の推計結果

9.5億回 ÷ 15,000件 = 約63,000施設

Step 2(ストック型):人口÷担当人口でクロスチェック

フロー型とは独立した別の視点として、「1クリニックは徒歩・自転車で通える圏内の住民を担当する」という地域密着モデルでクロスチェックします。フェルミ推定の基本手順でも解説しているように、2アプローチの一致度が高いほど推計の信頼性が上がります。

ストック型の仮定設定

担当商圏の規模 徒歩・自転車15分圏内の人口を約1,000〜1,500人程度と仮定(中央値1,200人)
根拠イメージ 半径500m圏内の世帯数×平均世帯人員:都市部で数千人、地方では500〜1,000人程度のばらつきを考慮し中央値で仮定

ストック型の推計結果

1.24億人 ÷ 1,200人/施設 = 約103,000施設

2アプローチの比較

フロー型:約6.3万施設 / ストック型:約10.3万施設
大きな開きがあります。この乖離は仮定の不確かさを示すシグナルであり、次のステップ(感度分析)で要因を分解します。

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Step 3:感度分析——仮定変化によるレンジ確認

フロー型推計の結果は受診頻度の仮定に強く依存します。3ケースで変化させた場合、推計値がどう変わるかを確認します。

ケース 0〜14歳 15〜64歳 65歳以上 年間総受診回数 推計施設数
低仮定(保守的) 6回 3回 12回 約7.4億回 約49,000施設
中仮定(本推計) 8回 4回 15回 約9.5億回 約63,000施設
高仮定(積極的) 10回 6回 18回 約12.3億回 約82,000施設

感度分析の読み方

フロー型の推計レンジは約5万〜8万施設となります。ストック型の約10万施設と比較すると依然として差がありますが、この差は「複数の診療科を持つクリニックへの重複受診」や「クリニックの受診圏域が実際には広い地域もある」という構造的な仮定の違いから生じると考えられます。面接では「フロー型は受診需要の下限、ストック型は供給キャパシティの上限として解釈できる」と両者を位置づけると整理しやすいとされています。

Step 4:推計値の統合と病院の補完

クリニック数の統合推計

フロー型(約63,000)とストック型(約103,000)を並置し、「5万〜10万施設のレンジ、中央値として約7〜8万施設」と提示する形が面接では整理しやすいとされています。仮定の幅を示せることがフェルミ推定の重要なスキルの一つです。

病院数の補完推計

病院(20床以上)は入院機能を持ち、地域に1〜複数か所配置されます。都道府県47×平均170病院程度(県庁所在地の基幹病院から中小規模の一般病院まで)と仮定すると約8,000施設と推計できます。
一般クリニック約7万施設 + 病院約8,000施設 = 合計約7.8万施設(フロー型中央値ベース)

歯科診療所の扱いについて

歯科診療所は「一般診療所」と別カテゴリに分類されます。面接では「今回は内科・外科・小児科等の一般診療所を対象とし、歯科診療所は別推計」と明示することで範囲定義が明確になります。歯科は同様のストック型アプローチ(人口÷担当人口)で推計可能です。

結論と面接での発表例

発表例(2アプローチ統合版)

「一般診療所(クリニック)に絞って推計します。まずフロー型として、年齢層別の受診頻度から年間総受診回数を約9.5億回と推計し、1クリニックの年間処理件数(約15,000件)で割ると約6.3万施設が出ます。次にストック型として、1クリニックが担当する徒歩・自転車圏内の人口を約1,200人と仮定すると、1.24億人÷1,200人で約10万施設が得られます。感度分析も含めると5万〜10万施設のレンジ、中心値として約7〜8万施設と推計します。病院(約8,000施設)を加えると合計約8〜9万施設という水準です。」

推計値と参考統計値の乖離の読み方

参考値として、厚生労働省の令和5年医療施設静態調査(2023年10月1日現在)によると、一般診療所は104,894施設、病院は8,122施設とされています。フロー型推計の6.3万と実態の約10.5万の差(約4万施設)は、「受診頻度の仮定が低すぎた」だけでなく、複数の構造的要因が絡んでいると考えられます:①部分稼働施設(週3日診療、午前のみ診療)の存在で1施設あたり年間件数が低い、②医師の専門分化による複数受診(同じ患者が複数のクリニックに通う)、③クリニックの予備的な「ゆとり」供給(過疎地でも最低限の施設が必要)——この多様な要因を面接で言語化できると高評価につながるとされています。ストック型の約10万施設は実態(約10.5万施設)と非常に近い水準になっており、地域密着モデルの有効性が確認できます。

参考:厚生労働省 令和5年医療施設(静態・動態)調査(2023年10月1日現在)|病院 8,122施設、一般診療所 104,894施設、歯科診療所 66,818施設。また、フェルミ推定の重要数値も合わせて確認しておくと推計の精度が上がります。

よくある質問

Q

推計値(約6.3万〜10万)と実態(約10.5万施設)の乖離はどう説明すればよいですか?

A

フロー型推計(約6.3万)と実態(約10.5万)の差は、単に受診頻度の仮定が低すぎた一因だけでなく、複数の構造要因が絡んでいます。①週3〜4日・午前のみ稼働など部分稼働クリニックの存在で実際の処理能力が低い、②同じ患者が複数の専門クリニックに分散受診する、③地方・過疎地の予備的供給(患者が少なくても施設が必要)——この点を指摘できると面接での評価が高まるとされています。一方ストック型(約10万)は実態に近く、地域密着モデルの有効性を示すものとして有用です。

Q

受診頻度の仮定(特に高齢者15回)の根拠をどう説明しますか?

A

65歳以上の受診頻度「年15回」は「月1〜1.5回の定期通院」に相当します。高血圧・糖尿病・関節疾患など複数の慢性疾患を持つ高齢者は、それぞれ月1回通院する場合があり、年間12〜18回程度の受診は合理的な範囲と説明できます。面接では「慢性疾患の定期通院が主体で、月1〜2回を仮定」と根拠を短く補足するだけで仮定の妥当性が伝わるとされています。

Q

歯科診療所はどう扱うべきですか?

A

歯科診療所は厚生労働省の分類で「一般診療所」と別カテゴリとされています。参考値として令和5年調査では約66,818施設とされています。面接では「今回は内科・外科・小児科等の一般診療所に絞り、歯科は別推計」と明示することで範囲定義が明確になります。歯科を含めると総施設数は大幅に増加するため、定義の明示は推計の信頼性を高める重要な作法です。

Q

フロー型とストック型はどちらを主軸にすべきですか?

A

どちらが「正しい」ではなく、両者は異なる仮定を持つ相補的なアプローチです。フロー型は「需要量」に着目して施設数を導く一方、ストック型は「地理的アクセス」から必要施設数を導きます。面接では「まずフロー型で推計し、ストック型でクロスチェック」という構成にすると、思考の構造が明確に見えるとされています。2つの推計が一致に近い場合は自信を持って提示でき、乖離する場合は要因分析を加えると高評価につながります。

Q

地方と都市部の医師偏在・施設偏在は考慮すべきですか?

A

医師・診療所の地方偏在は日本の医療政策上の重要課題とされています。フェルミ推定では全国均一を仮定した平均値での推計が一般的ですが、より精緻に推計したい場合は「都市部・郊外・地方の3区分でストック型の担当人口を変える」アプローチが有効です。例えば都市部は担当人口が多く(2,000〜3,000人)、地方は少ない(500〜800人)と設定すると現実に近い分布になるとされています。

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